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2008年12月28日 (日)

七つのクロマチックハーモニカ教本への独断的レビュー

 クロマチックハーモニカを初めて2年になるが、まだ音を掴めていない。この音をヒトに聴かせたいんだという域にはまだ達していないのだ。それでもう一度初めから原点に戻って、自分が少なくとも正しい道を通って来たのかを振り返ってみることにした。入手した数冊のクロマチックハーモニカの教本が教えている基本を読み返してみた。教本では著者が貴重な経験から導いた基本事項がいずれの教本でも書いてあるが、特に吹き方、ハーモニカの持ち方、穴の移動などの点についてどのように教えているかを独断的に比較考察してみた。私は大学での48年間の教職経験から教えるってことは、学ぼうとする側に立って能力を引き出す努力だと信ずるようになった。クロマチックハーモニカの学習でも同じではなかろうか。教本には入門書と専門書がある。2-6は入門書に分類してある。7はブログである。

1. 「徳永延生著 ポピュラークロマチックハーモニカ メソッド:145頁同教室発行」は専門書にいれたい。入門書に相当する内容の教材は同ホームページ:http://www.manbou-net.com/~hamonica/ のハーモニカビデオレッスンOnepoint Lesson の基礎編1-9が動画を見て学べるので大変有用である。ジャズを吹きたいヒト、アドリブを吹きたいヒトはお勧めです。

2.「森本恵夫著 クロマチック・ハーモニカ教本:106頁2001年KMP社」 この方は日本のハーモニカ界の大御所である。複音の教本も書いている。トリオ:ザ・ブルー・ハーモニー・キャッツを結成。複音もクロマチックも吹きこなす(ツィゴイネルワイゼンをCmクロマチックで入って複音8種の調で吹いた生演奏を聴きました)。無伴奏の複音の演奏は超絶です。12穴のハーモニカの持ち方の図示が参考になります。穴番号・吹き音・吸い音の表記が一寸違いますが、書き換えれば使えます。中級まではOKです。練習曲にも懐かしく良いものがあります。 

3.「町田明夫著 クロマチック・ハーモニカ教本 中級:64頁鈴木教育出版社」CD付 日本初のエレキーハーモニカトリオ:ハーモニカ・ライナーズを結成。1995年世界ハーモニカコンテストのFor the future部門で第1位入賞。編曲・各楽器演奏・多重録音の名手。全日本ハーモニカ連盟副理事長。中級で吹き方を丁寧に腹式呼吸法から解説している。音の出し方について唇の形(穴よりも少し小さな口をつくる)・声門を使う音の出だしなど特徴的な説明がある。ハーモニカの持ち方は同教本初級に16穴ハーモニカで図示して説明してある。 

4.「和谷泰扶指導 クロマチック・ハーモニカ/マスターへの近道:モリダイラ楽器」 DVD/46分 ドイツ・トロッシンゲン市立音楽院(ホーナー社)ハーモニカ専任講師。クラシック分野で活躍、多くのコンクールで1位入賞。DVDでは呼吸法と持ち方を解説している。吹き方はタングブロック奏法に重点を置いている。

5.「木谷悦子編著・演奏 START! クロマチック・ハーモニカ:83頁2007年鈴木音楽産業KK」CD付 徳永延生先生の優秀なお弟子さんの一人で、クロマチックハーモニカとの運命的出会いがあって、一年後に日本のコンテストで1位、4年後には世界コンテスト(ドイツで開催)で1位、1997年日本ハーモニカ賞受賞、プロとなる。著者が「ハーモニカビギナーは何が難しくて困っているのか」に焦点を当てて書いたと、後書きしているこの教本では16穴ハーモニカの持ち方の写真と説明、吹く口の形の作り方、ハーモニカの動かし方(穴の移動・手首の回転運動)を図を描いてわかりやすく説明している。その際、顔を動かさないように鏡で常にチェックする事を勧めている。吹き方吸い方のテクニックや腹式呼吸も丁寧に解説している。46頁に出てくる挫折曲線は誰でも勇気ずけられるに違いない。自分の体を楽器にするというコンセプトを強調している点が良い。ハーモニカのトラブル⑥を2度経験し、原因が分からず困っていたが、このトラブルシューティングで一挙に解決した。練習曲はポップス中心。中級までOK.

6.「田中光栄編著 はじめの一歩 ハーモニカ入門ゼミ クロマチック・ハーモニカの基本を学ぶ: 119頁2008年自由現代社」 10ホールズのプロ奏者としてデビュし、クロマチック(ジャズ)も習得し、両方を自在に吹ける若い新世代のハーモニカ奏者として外国でも有名。類似のchapterもあるが、10冊以上の教本(ブルースハープの教本も含めて)を書いて Ts001_3 いる。ハーモニカの持ち方は手の位置・指の位置を写真入りで丁寧に説明してある。12穴タイプと16穴タイプで異なることを明確に示している。レバーへの人差し指のかけ方も詳しく説明。構え方の写真ではトゥーツ・シールマンス(TS)の構え方と似ている点がある:肩の 線とハーモニカの傾きはTSの方が小さく半分くらいだが、左手の人差し指と右手の指たちとの接近関係はほぼ同じである。レバー操作右手の人差し指の使い方。腹式呼吸について2章もうけてあり詳しく説明し、腹式呼吸のエクササイズを加えてあるところは新しくオリジナルである。良い音をどのようにして出すかをギターに例えてうまく説明してある。その他いろいろな奏法解説。初級から中級への移行者には啓発される点が多い。ポップスからジャズへ広く吹きたいヒトにはピッタリの入門書。

7,fuji-h's web site--Chromatic Harmonica Player:Jazz Harmonica fuji-hのStudy(2005) ;Toots and HarmonicaのHarmonica Study(2004)など2004-2005年の16項目に上る記述が大変参考になりました。何回も読み返しています。この方はフルーティストらしいのですが、手首運動についての気付きなど練習と上達の途上での発見が新鮮なタッチで書かれています。

 自分で知らぬ間に良くない”くせ”がついていることが上達にマイナスに働くので、そういうことのないように基本を学びたいのである。教室に通って先生といわれるヒトに教えてもらえる場合にも、丁寧に教えてはくれないことが多い。ただ「ーーーーしてはいけない!」と言われることが多いのである。最終的には自分で自覚し、自分の至らぬところを見つけ、それを直し、練習して上達してゆくのではあるが、少しでも寄り道しないで上達したいとの希望から考察した。自分に合った最高の教本に出会えることを祈っている。この偏見的・独断的考察にご意見あればどうぞコメントをください。

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